近代北欧の陶芸作家 + ルーシー・リー

 SPOT LIGHT > 近代北欧の陶芸作家 + ルーシー・リー 2011年2月
今から50〜60年前のミッドセンチュリーと呼ばれる時期に
北欧の作家達が、世界中の賞を次々に受賞した
時代がありました。

その多くは職人達の技術とアート性を融合させた
シンプルでいて洗練されたものばかり。

とくに陶芸の分野では東洋の器をも感じさせ、
すっと日本人の心に響いてくる作品が多いのも特徴的です。

それは、濱田庄司らが各国の作家達と交流をし
民藝の思想を伝えたことが
重要な役割を果たしていたと考えられています。
Berndt Friberg ベルント・フリーベリ Wilhelm Kage ウィルヘルム・コーゲ
Berndt Friberg ベルント・フリーベリ Wilhelm Kage ウィルヘルム・コーゲ

日本から渡って行った民藝が
西洋の感性と混じり合い、
世界を席巻したアートを生み出したというのは
なかなか誇らしいことでもあります。

現在、世界での評価は極めて高く
価格も近年じわりじわりと上がってきており、
中には山越えをしていて
なかなか手の届かないものも。

日本ではまだまだ馴染みがありませんが
作品たちは間違いの無い逸品ですので
今後もじっくりとご紹介していこうと思っています。
Axel Salto アクセル・サルト Lucie Rie ルーシー・リー
Axel Salto アクセル・サルト Lucie Rie ルーシー・リー

Berndt Friberg (1899−1981)ベルント・フリーベリ


1899年にスウェーデンのホガナスで生まれる。13歳よりホガナス窯で作陶助手として働き始め、同時にテクニカルスクールに通う。その後いくつもの窯を渡り 、35歳まで22年もの間、轆轤職人として下積み時代を過ごした。
1934年、スウェーデンに帰郷しグスタフスベリ窯に籍を置く。アートディレクター、ヴィルヘルム・コーゲ氏に師事、44年には独立と同時にグスタフスベリ内に自らの工房を設立した。
生涯、数千におよぶ器を自ら轆轤で制作、日本や中国、朝鮮の古陶磁からインスピレーションを得て、フォルムや釉薬を追求した。その釉調や肌など、女性的な美しさを感じさせる繊細で優美なものが多い。
特に、指先にのるほどの小さな陶器は器の宝石と例えられる。スウェーデン国王をはじめイブ・サン=ローラン氏、ロバート・メープルソープ氏など世界中にコレクターが多く存在。作品はスウェーデン国立博物館、コペンハーゲン装飾工芸館、デンマーク博物館、ニューヨークメトロポリタン美術館など世界各国の美術館にパーマネントコレクションされている。ミラノトリエンナーレにて1948年、51年、54年に金賞を受賞。1981年没。

Wilhelm Kage (1889−1960)ウィルヘルム・コーゲ


1889年にスウェーデンのストックホルムで生まれる。北欧現代陶磁器のパイオニアでAxel Saltoとともに2大巨匠とされる。もともと画家であり、Gustavaberg社にポスターデザイナーとして入社、後にアートディレクターに就任する。
世界各国の陶芸に精通し濱田庄司とも交流、来日も果たしている。ヨーロッパではそれまでエレガント色が強く、貴族が使用するような器が大半であったが、民藝の思想に共感し、その流れを脱却。日常に使う美しい器の重要性を説き、生涯で30種類以上のテーブルウエアのブランドを手がけた。
自ら制作した初期の作品は民藝思想の色濃いものも多く見られ、モダンデザインの誕生という歴史的な瞬間を、目の当たりにすることができる貴重な作品でもある。
1920年代より制作を始めたFrastaシリーズは、氏のアートラインとして歴史家やコレクターの間で最高傑作とされ世界的評価が極めて高い。その思想は弟子であるスティッグ・リンドベリやベルント・フリーベリに脈々と引き継がれた。1960年没。

Axel Salto (1889−1961)アクセル・サルト


1889年、デンマーク生まれ。名窯Royal Copenhagen社に在籍した陶芸作家でありグラフィックデザイナー。デンマークのみならず世界的なモダンデザインの波を生み出した美術家として最も重要な人物である。
ギリシャ神話からイマジネーションを受け、アールデコや宗教的モチーフを題材に作品を制作。後に自然の有機的モチーフに題材が移り、果物や植物をそのまま器にしたような、強烈で圧倒的な存在感のある作品を残している。
その釉薬は当時、北欧の窯で研究されていた、中国の古典的な釉薬を使用している。フランス留学暦があり、ピカソやマティスと交流、その思想は、後にポール・ヘニングセンとともに立ち上げたデンマーク芸術運動誌、Klingenの発刊に多大な影響を与え、モダンデザインの流れを一気に開花させた立役者である。
陶芸のみならず版画やテキスタイル、アクセサリーでも作品を数多く残している。
1925年パリ万博ではシルバーメダルを、37年パリ万博でグランプリ、51年ミラノトリエンナーレでグランプリを受賞。1961年没。

Lucie Rie (1902−1995)ルーシー・リー


1902年にオーストリアのウィーンに生まれる。ウィーン工業美術学校でミヒャエル・ポヴォルニーに陶芸を学ぶ。戦火が激しくなった1938年、ロンドンに移住しアルビオン・ミューズに居を構える。
1946年、陶器ボタン制作の手伝いとしてHansCoperが参加、後の共同制作で、シンプルで優美なLucie Rieのスタイルを確立するための重要な役割を果たす。
近年、薄い淵の流れるようなフォルムは、北欧のモダンデザインとの共通点も指摘されている。
1937年パリ万国博覧会で銀メダルを受賞。
1968年大英勲章第四位受勲、1981年大英勲章第三位受勲。1991年、デイムの称号を授与。1995年没。
このページ内の文章、画像の無断使用を禁じます。上記の内容についてはギャラリー北欧器様の著作物です。
 今回御協力頂きました「ギャラリー北欧器」様店舗情報です
ギャラリー北欧器

ギャラリー北欧器

ミッドセンチュリーの北欧ヴィンテージ陶器。Berndt Friberg(ベルント・フリーベリ)Axel Salto(アクセル・サルト)等。

所在地 東京都港区港南3-6-21-514
TEL/FAX 03-5460-6036
URL http://hokuouki.com/
営業時間 14:00〜19:00(アポイント制、要予約)
定休日 火曜日

ギャラリー北欧器様以外で今回ご紹介した作家の作品を扱っているお店へのリンクです(アルファベット順)

biotope Craft_one Elephant* Lystig mellan organ